個人情報が狙われる!パソコン・スマホの中古品売買に潜む「フォレンジック」被害とは?
パソコンやスマホの中古品売買を利用しているあなた。売買した端末から、個人情報が流失する危険性があることをご存知ですか?
近年、個人での中古売買が増加するのに合わせて、「フォレンジック」と呼ばれる手法を使った個人情報の流失被害が続出しています。
フォレンジックとはどんな手法なのか?どうして中古品売買が狙われやすいのか?
今回は、身近に潜むセキュリティ犯罪の1つ「フォレンジック被害」についてご紹介します。
フォレンジックとは?
まずはフォレンジックという言葉の意味について解説していきます。
そもそも、フォレンジックという言葉は、セキュリティ犯罪を意味するワードではありません。
犯罪調査における分析や鑑識の手法
フォレンジックとは、犯罪調査における分析や鑑識を行うための手法のこと。
この手法では、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスから、文書やアクセスログといった情報を復元し、犯罪の証拠となる爪痕を探します。
スマホやパソコンを利用した犯罪捜査はもちろん、近年では素行調査などの分野でも利用されるなど、代表的な調査手法の1つとなっています。
一般的なフォレンジックの方法は?
フォレンジックを実際に行うには、まず調査の対象となるデバイスに専用のツールを使って接続を行います。
次に、接続したデバイスのハードディスクからデータのコピーを作成し、様々な手法を使って情報の収集や復元を行います。
文書やメールなどの各種データはもちろん、個人情報の収集や復元を行うことも可能です。
テレビドラマや映画のワンシーンで、警察が犯罪の証拠を探すために壊れたスマホを調査する…といった場面を目にしますが、あれこそまさにフォレンジックを用いた分かりやすい例と言えるでしょう。
フォレンジックを悪用した犯罪が増加
犯罪調査に利用されるフォレンジックですが、近年問題となっているのが、この手法を悪用した犯罪被害が増加しているということです。
廃棄したはずの個人情報が盗まれる
フォレンジックの手法を用いれば、パソコンやスマホから個人情報を収集・復元することができます。
例えば、廃棄したスマホの端末から、個人情報を盗み出すといったリスクは十分に考えられるでしょう。
実際に、自分ではデータを初期化したと思っていても、完全には削除できておらず、個人情報を盗まれてしまったという被害も報告されています。
スマホやパソコンを日常的に使う現代においては、他人事とはいえない事例でしょう。
中古品売買が狙われている!?
フォレンジック被害で、私たちの身近に潜むリスクとして挙げられるのが「中古品売買」です。
最近では個人間で商品をやり取りするサービスや、オークションサービスが普及していますが、こうした中古販売でスマホやパソコンを売買することは大きなリスクをはらんでいます。
例えば、あなたがスマホを機種変更したので、古い機種を中古で売り出したとしましょう。仮に、購入した相手が悪意を持ってフォレンジックの手法を用いれば、あなたの個人情報が簡単に盗み出されてしまう可能性があります。
購入した相手が求めているのは個人情報だけなので、その後端末はまた中古売買で販売され、別の悪意ある誰かへ…といったリスクの拡大も考えられるでしょう。
スマホは個人が特定しやすく、口座番号やログイン情報などが端末に多く記憶されています。
犯罪者にとっては、まさに「宝の山」と呼べるかもしれません。
中古品売買でのフォレンジック被害を防ぐには?
では、中古品売買でフォレンジック被害にあわないためには、どのような対策が必要なのでしょうか?
正しい方法で初期化する
中古売買を行うスマホやパソコンは、内部のデータが完全に削除されるよう正しい手法で初期化を行いましょう。
ただ、この手法は非常に高度な技術を伴います。
そもそも、スマホなどに用意された「データを初期化する」といった機能だけでは、データは完全に消去されません。「初期化をすれば安全」と誤解されていることも多く、この点はフォレンジック被害が続出している原因の1つともなっています。
自分で完全にデータを削除できない場合は、専門の業者に委託するなどして万全の対策を講じるようにしましょう。
最善策はスマホやPCの中古品売買を利用しない
被害にあわない対策として、専門の業者にデータの初期化を委託するという方法をご紹介しましたが、実はこの方法も完全とはいえません。
そもそも、委託した業者がきちんとデータを初期化してくれているか、判断するのは困難です。信頼のおける業者を知っている場合は安心ですが、万が一業者が犯罪行為に手を染めていた場合はお手上げでしょう。
こうしたリスクも想定すると、スマホやパソコンの中古品売買そのものを利用しないというのが、考えられる最善の策と言えるでしょう。
まとめ
今回は、中古品売買に潜むフォレンジック被害の危険性についてご紹介しました。
フォレンジックとは、犯罪調査に利用される分析・鑑識手法の1つですが、これを悪用して個人情報を盗む犯罪が続発しています。
とくにデータの初期化が完全ではない中古品の個人売買は狙われやすく、流出被害のリスクが高まっています。大切な個人情報を守るためにも、正しい知識やセキュリティ対策を練ることで、悪意あるセキュリティ犯罪から身を守るようにしましょう。
KRAF(クラフ)では、わたしたちと一緒働いてくれる仲間を募集しています。
KRAFは、セキュリティの脆弱性診断を通して、社会に「安心」を提供する会社です。セキュリティ対策の人材は、今後ますますニーズの高まりが予想される分野の1つ。
社会から求められる魅力ある仕事を、教育体制と職場環境が整ったKRAFでスタートしてみませんか?