公益性が高い会社の証 | B Corp 認証企業対談 | 石井造園 石井代表取締役 | 前編

クラフは、2023年9月に、 社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際認証「B Corporation(以下B Corp)」 を取得しました。毎年3月はB Corp月間として、世界各国でB Corpに関連するイベントが行われています。

日本でもB Corpムーブメントの輪が広がる中、 クラフでは同じくB Corp認証を取得している 企業と対談を行いました。 今回は、神奈川県横浜市の石井造園株式会社の石井直樹代表取締役と、 クラフでB Corp 認証をはじめ社会貢献活動の管掌を担う村上の対談です。

ーB Corp認証を知ったきっかけは

石井(以下敬称略):2015年、ある大学院の教授からB Corp認証について伺いました。当時は、アメリカで活発になってきていたB Corpを日本でも広げようという取り組みが始まったばかりの頃でした。

日本では今よりもB Corp認証の知名度が低い時期で、「まだ誰も取得していないなら私たちが手を挙げてみよう」と認証取得に向けて動き出しました。

石井造園はもともとCSR活動に注力していて、企業としての社会的責任を果たしていこうという気持ちもありました。世界に目を向けると、世界平和、貧困、環境問題、そういった多くの社会課題がありますね。

その中で、私たちが軸足を置いてきたのは「地域貢献」でした。これまでに地域に対して行ってきた活動がB Corp認証の理念と親和性があることも、認証取得の動機となりました。

村上:私たちも、宮崎で1000人雇用を目指していることや未経験者をIT人材に育成することなど、事業を通じての社会貢献を継続して参りました。

2022年には、自社で開発を進めてきた、中小企業へ無償提供するセキュリティ・マネジメント・システム「S4(エスフォー)」が形になってきた頃でもありました。

このタイミングで、社会貢献を一層の推進力を持って進めていきたいと考えた時に、社会に対し公益性の高い取り組みを行う企業が、国内外でB Corp認証を取得していることを知りました。認証の取得が目的ではありませんが、クラフが公益性の高い事業を行っていること、社会に良いアクションを行う意思を持っていることの証として取得を目指すようになりました。

200問の質問に答えたり英語での審査に対応したりといった過程を経て、2023年9月にB Corp認証を取得しました。国際認証ということもあり、質問の項目や重視されることを新鮮に感じることもあり、これまでに知ることのできなかった視点を得ることもできましたね。

ーグローバルな視点で自社の在り方を見つめる機会に

石井:これまでに知ることのできなかった視点とは、具体的にどのようなことですか。

村上:様々な取り組みをしている中で、クラフが評価されたのは”従業員”の項目でした。当社では、地域にIT人材を輩出しようと、学歴・職歴に関係なく採用し、育成してきました。

育成のための手厚い研修についても、公平に教育の機会を提供している例として評価いただきました。申請・審査を経て、グローバルな視点で自社の在り方を見つめる良い機会になったと感じています。

石井:グローバルな視点を持つことで、私たちも見えてきたことがあります。日本において今社会課題とされているのは、少子化による労働人口の減少などがありますよね。一方で、B Corpの考え方の中には、人権や差別に関することなど、身近なこととして意識していなかった点もありました。

CSR活動をしていることは前提として、世界でどのようなことが社会課題として意識されてるのか、改めて考えるきっかけになりました。

ー「地域」をどう捉えるか

石井:両社に通じるのが地域貢献の考え方ですよね。クラフでは、「地域」をどのように捉えていますか。

村上:クラフが考える「地域」は、基本的には宮崎県内です。「安心を提供する会社で在り続ける」という企業理念を掲げて設立されたクラフは、創業社長である藤崎の出身地、宮崎を拠点に事業を展開しています。

未経験からIT業界に転身しクラフを設立した藤崎自身が、宮崎においてキャリアを積むことの難しさを痛感した原体験もありますし、実際に宮崎で生まれ育った若者がキャリアを積もうと考えた時に、福岡、東京など県外へ流出してしまう現状もあります。

そうした中で、クラフが宮崎にいながらIT業界へ転身できる、キャリアを築ける受け皿となることで、変わりゆく社会の中で必要とされるスキルを身につけられ、人々が安心して生活していける。企業理念にはそのような意味も込められています。

石井:石井造園では、「地域」を横浜市内と定めています。その範囲に深くコミットしていくことを目指しています。

私が愛してやまない横浜の地にどのように貢献していくか。実は今日も、横浜市内で開かれたSDGs文化祭の開会の挨拶のご依頼をいただき、地域に必要とされる喜びを感じました。

半世紀以上前からこの地で活動してきた会社として、横浜への貢献は大切にしていきたいと思います。

村上:約2年前にお話を伺った時から、石井造園は地域に必要とされている会社だという印象がありました。SDGs文化祭への招待も、長年の地域貢献活動が地域にも認められ、浸透している証ですね。

私たちは、2年前の時点では雇用や社員のキャリアアップといった点での地域貢献は図りつつも、事業の特性上お客様が都市圏に集中していて、セキュリティを通じての地域貢献は模索している段階で、もっとできることがあるのではと感じていたところでした。

現在は、お金がなくてセキュリティ対策ができない中小企業・団体へ無償で提供するセキュリティ・マネジメント・システムS4(エスフォー)を自社開発・展開し、当社の強みであるセキュリティを通じた社会貢献にもチャレンジしています。

また、他組織とも連携しながら、S4のシステムを活用した地域貢献施策についても現在企画・検討が進んでいます。

宮崎にセキュリティの会社があると認知いただくことで、セキュリティに関するセミナーの依頼をいただいたり啓発活動に参加したりと、活動の輪が広がってきたように思います。

地域への貢献に軸足を置き、「事業を通じて社会に貢献する」活動を続けてきた両社。B Corp認証の過程を通じてグローバルな視点で自社を見つめ直し、また社会課題についてさらなる気付きを得ることとなりました。

後編では、会社の在り方を伺う他、社会へのメッセージを発信します。

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私たちは、私たち自身が培ってきたキャリアや経験を地域に還元し、宮崎で暮らす人々のキャリア形成の一助となりたいと考えています。