宮崎の発展を、教育・雇用の場から|Talk 前編|宮崎大学土屋氏

宮崎大学地域資源創成学部でマーケティングが専門の土屋有(つちやゆう) 准教授と、クラフ代表の藤崎 は前職のIT企業で共に働いた間柄です。

今回の対談では、教育・研究分野の視点からクラフという企業がどのように映っているのか、お話を伺いました。

ーお二人は前職で同僚として働いていたご関係ですが、退職してからお会いするのは久しぶりとお聞きしました。

藤崎:自分が前職を退職したのが3年半前でしたが、土屋さんは?

土屋:私は5年前に退職して現職に着任しましたので、約5年ぶりの再会になりますね。

ー土屋さんにお聞きしたいのですが、同僚として働いていた当時、藤崎さんにはどんな印象をお持ちでしたか?

土屋:自分の意思を持っている人だな、という印象が強く残っています。ただ言われたことを作業的にこなしていくのではなく、きちんと自分の意思を持って仕事に取り組まれる人だなと。

仕事でも、役割をきちんと自分の中に落とし込んで、自らが活躍する場所を築いていく。一方で、一緒に働く下の人や周りの人々の気持ちを慮ることもできる。良い意味でサラリーマンっぽくない、経営者的な資質を持っている人だな、という印象でした。だから自分がフィットした環境や世界では、すごくパフォーマンスを発揮できる人だと感じています。

ー土屋さんの言葉にもあるように、自らを体現できる場所として藤崎さんはクラフを起ち上げた訳ですが、あらためてクラフの生い立ちについてお聞かせいただけますか。

藤崎:クラフは「安心を提供する会社で在り続ける」という非常に大きな企業理念を掲げ運営しています。

限られた資源、限られた環境下であるこの地方・宮崎の中で、私も含む宮崎に住む人々が、今後もこの日本社会の中で生き続けていくためには、生き残っていくためには、どのようにすれば安心して暮らしてゆけるかと考えた時に、当たり前ではありますが、社会の中で必要とされる力を身につける必要がある、身につけ続ける必要がある、それが引いては安心し続けられることではないか、と考えました。

そのうえで僕たちができることは何かと考えた時に、僕たちが持っていたIT業界の中で培ってきたキャリアを活かして、その経験を還元していく場所を作っていきたい、宮崎に住む人々のキャリア形成の一助となれないか、それが安心を提供することができるということではないか、という想いから生まれた会社です。

創業時は前職での経験を活かしてECサイトの制作・構築からスタートして、そこで得られた利益をもとに教育事業を展開する構想でした。教育事業に着目したのは、IT未経験の方にもITという業界に転身できるきっかけを作りたかったからです。

ITという業界は専門的なイメージが強く、取っ掛かりの部分でハードルが高くなってしまいます。そこで教育事業という形で、例えばプログラミング教室のような場を設けることができれば、ITで働くきっかけが生まれるのではないかと。その先にある働ける環境やスキルを得ることで、その人にとっての「安心」に繋がると考えました。

ー大きなターニングポイントとなったのが、株式会社シフトセキュリティの松野代表との出会いだったそうですね。

藤崎:松野と出会い、事業についてお話する機会がありました。その中で、シフトセキュリティの情報セキュリティ事業をスケールさせていくために一緒に取り組んでみないか、というお誘いをいただきました。

セキュリティという社会に「安心」を届けるという事業内容や、シフトセキュリティが持つ仕組化された体制を取り入れれば、IT未経験者の採用にも繋がる。クラフの掲げる「安心を提供し続ける会社」という企業理念をより早く大きく実現できるのではないかと考え、グループ化を決断しました。

ーさて、土屋さんのお話もお聞きしたいのですが、現在は宮崎大学の教員として活躍されています。なぜ教育分野に足を踏み入れたのですか?

土屋:前職に在職中、宮崎という地域が持続的に成長していくためには、宮崎の人が新しい収益や、収益を得るための力を手に入れなければいけない、そこに注力することが自分が地域に貢献できる方法だと考えて働いていました。

一方で前職では採用も担当していたのですが、多くの人を面接させていただく中で、なかなか採用したいと思える宮崎の人材に出会えなかった。私も地元・宮崎の出身者なので、宮崎の若者のポテンシャルや可能性を知っているだけに、「なぜなのだろう」という疑問が浮かびました。

そんな中で、学生時代にチャレンジし、成功や失敗を繰り返すことができる「機会」がない・足りてないのではないか?という考えにいたりました。そこで、教育という現場に自分が関わることができれば、彼らや彼女らに機会を提供することができると考え、宮崎大学の教員という道を選択しました。

ー具体的な取り組みなどもお聞かせください。

土屋:多くの方の支援を受け教育分野・研究分野どちらにも関わりながら、現在はビジネスプランコンテストやアントレプレナーシッププログラムに取り組んでいます。このプログラムは宮崎大学だけでなく、宮崎県内の高等教育機関の学生であれば全員が受けることができるプログラムを展開しています。こうした取り組みの中から、この5年の間に起業する学生や、高い目的意識を持って仕事に取り組み新規事業の起ち上げに関わる学生など、魅力的な若者が育ってきました。

宮崎という地域や人材にはまだまだ伸びしろがあるという思いを持って、そこに自分が全力で取り組むことで可能性が生まれる。そういった活動に取り組んでいます。

ーこうしてお二人のお話を伺っていると、方法は違えど目的意識は同じであるような印象ですね。

藤崎:おっしゃる通りで、方法は違えども「宮崎という地域にどう貢献していくか」という同じ目的で、私たちはずっと宮崎の雇用に向き合ってきたような気がします。

土屋:そういった意味では、クラフは宮崎の人や若者が働く「場」を築いていて、その中心に向かって歩みを進めているような気がしますね。

コロナ禍の影響を受けて、働くこと・働く場所への捉え方が大きく変化してきています。これから宮崎はインキュベーションの「場」になり得るポテンシャルを秘めていると思います。ITという業界の可能性と相乗効果を得ることで、より大きな価値を持ってくるのではないでしょうか。

企業の経営者として、教育・研究現場の教職者として、立場は違えども「宮崎の雇用・地域への貢献」を目的に取り組みを進めている両者。その取り組みは着実に実を結び、新しい人材の成長へと繋がっています。

次回の対談後編では、クラフの公式ホームページのリニューアルを実施した狙いや理由について、経営者と教育・研究者、それぞれの視点からお話を伺いします。

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