ビジョン・ミッションは企業が発する未来へのメッセージ|Talk 後編|宮崎大学土屋氏

対談の前編では、お二人が企業と教育現場それぞれのフィールドで、宮崎の雇用や地域への貢献に取り組んでいることをお話いただきました。

後編となる今回は、クラフのホームページリニューアルを中心に、藤崎が経営者としてリニューアルを決断した理由を伺います。また、土屋氏には教育者・研究者という視点から、今回のリニューアルがどのように映っているのかお話を伺いました。

ーお二人が直接会うのは5年ぶりですが、それぞれの動向やニュースはキャッチアップされていたと伺いました。外からの視点という意味で、土屋さんからクラフはどのように映っていましたか?

土屋:藤崎さんらしい企業だな、というのが率直な印象ですね。会社は経営者の色や姿勢が現れるものですが、クラフは藤崎さんらしさが垣間見える企業だなと。派手ではなくても、着実に成長している。それはクラフが目指す「安心・安全」や「信頼」がベースの部分にあるからだと思います。

とはいえ、決して野心がないわけではなく、しっかりと意欲を持って歩みを進めている。今後も「手堅く」伸びていく企業だろうな、という印象を持っています。

ー「手堅く」という部分について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。

土屋: クラフの目指す安心や安全を実現するためには、社会の変化を理解し・受け入れる姿勢が求められます。藤崎さんは変化することを受け入れることができ、そうした姿勢が社風にも現れている。そういった取り組み方は、ポジティブな意味で「手堅く」と表現できるのかなと感じています。

ーなるほど、ありがとうございます。さて、クラフでは先だってホームページのリニューアルを行いましたが、その理由や狙いはどこにあるのでしょうか?

藤崎:この3年間、まっさらな状態から企業を大きくしてきました。「安心を提供し続ける会社」という理念を実現するため、紆余曲折ありながらも成長することができています。

一方で3年という期間を経て、当初描いていた企業のスタンスとズレが生まれてきた部分も見えてきました。前編で土屋さんともお話しましたが、「宮崎という地域にどう貢献していくか」という目的を達成するために、クラフは働く人のキャリア形成の一助となれる場所を目指してきました。それ自体は徐々に実現してゆく中で、更なる欲も出てきて、より高いステップへ挑戦する・変化するという人材がもっとたくさん出てきて欲しいなと思うようになりました。

そこで、オフィスを移転したこのタイミングに合わせて、ホームページをリニューアルすることでもう一度当初のスタンスを再確認しようと考えました。リニューアルに合わせてVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)の再定義も行い、いま働いている社員の皆さんにきちんと想いを伝えたいと考えました。

同時に、これまでクラフが取り組んできたことの「棚卸し」をして、次のステップへ進んでいこうという思いもあります。

土屋:お話を伺っていて、自分の立場や視点から考察すると、3年という期間を経て「経営資源」の再確認をされたんだな、という印象を持ちました。経営資源とはヒト・モノ・カネ・情報・ブランドのことですが、これらを獲得して磨き、有効活用していくための一つとして、ホームページのリニューアルが必要だったのかなと。

3年という時間の中で、コロナ禍を含め社会環境や労働環境は大きく変化してきたと思います。いまある経営資源を再確認して、現在の社会や経営環境にフィットする形にVMVを変えていくことが企業には必要です。クラフが今回ホームページのリニューアルに合わせてVMVを再定義したのは、自然な流れだと思います。

ーVMVを再定義する上で、土屋さんは何が重要だとお考えですか?

土屋:VMVを設定する過程が重要だと考えています。

先ほど藤崎さんが棚卸しという表現をされていましたが、棚卸しは無形的な「思い」の棚卸しではなく、経営能力やマーケットの伸びしろにフォーカスしなければならないと思っています。

それから、棚卸しという作業はあくまでも過去を振り返る作業になります。それを踏まえた上で、ビジョンやミッションは企業が発する未来へのメッセージになっていることが望ましい。

これからの未来や社会にアジャストしていくために、どのようなメッセージを届けたいのか。その意味では、クラフさんの今回のVMV再定義はとても価値あるものではないでしょうか。

クラフは今回のホームページのリニューアルに合わせて、企業のVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)を再定義しました。

土屋さんの言葉にもあるように「未来へのメッセージ」を込めたVMVを定めることで、これからのクラフの歩みを、さらに力強いものへと変化させていきたいと考えています。