同じ理念を達成するために、違う課題に向き合う関係性|Talk 後編|株式会社SHIFT SECURITY古見氏

前回の対談では、黎明期からクラフを支えてきたSHIFT SECURITYの古見さんとの関係性や、これまでの歩みを振り返っていただきました。

後編となる今回は、これからのクラフの課題や10年後20年後の未来をテーマにしたお話を伺います。

ーこれからのクラフの課題についてどのようにお考えですか?

古見:どうしても社員の数が増えたり、業務の幅が広がっていくにしたがって、負担やストレスは増えていきます。そういった状況に陥ったとき、「人の助けになる」というクラフのマインドが薄まる可能性がある点は、これからの課題だと感じています。

「人の助けになる」という部分はクラフのクレド(行動指針)にも記されており、企業の強みとも言える部分です。ぜひその強みを忘れないでほしい。余裕がなくなった時こそ、基本に立ち返って社員同士が助け合う大切さを思い出してもらいたいですね。

それから、クラフが今後1,000人雇用を目指すなら、IT未経験の採用が増えていきます。その時に、未経験からスタートした社員は、自分たちが入社した当時のことを忘れないでほしい。どうしても人間は知識や経験が増えると、未経験だった頃の苦労や不安を忘れてしまいがちです。「こんな事も分からないのか」というマインドではなく、「自分も入社当時は分からない事ばかりだったな」というマインドでいれば、新しく採用した社員と同じ目線に立つことができます。

私自身も未経験から今の仕事で働き始めた一人です。開発経験もなくプログラミング言語もまったく分からないところからスタートしました。クラフの社員にも、自分の原点となる入社当時のマインドを、大切にしてもらいたいですね。

藤崎:これまでの採用のペースから計算すると、1,000人雇用を達成するには時間がかかり過ぎます。そこをいかに加速させていくかは、大きな課題の1つだと感じています。

加速させるための具体案としては、ビジネスの規模を広げる、よりクオリティの高いサービスを提供するのはもちろんですが、新たな事業を「創造」していくことが重要だと考えています。現在のSHIFT SECURITYとの仕事以外の部分を、もっと増やし伸ばしていきたい。そのためには、0→1でビジネスを考える私や古見さんのような人材をもっと増やしていくことが大切です。

事業を成長させる上では、ついつい目の前の仕事や手持ちのカードだけで考えてしまいがちですが、新たな事業を創り出すことに積極的に取り組んでいきたいですね。

ー社員の成長やキャリアをどう後押ししてあげられるのかも、大切なポイントになりそうですね。

藤崎:社員が成長できているかは、組織の成長を測る上でのバロメーターになると思ってます。

例えば、転職する社員がいることを経営者が肯定的に捉えられるか。転職できるスキルや経験をもった社員が育っていることは、企業としては本来喜ばしいことです。転職できるような社員が現れるのは、それに続く社員の押し上げが間違いなくあるからで、企業として成長しているバロメーターと言えます。自分はそういった人材が増えることを喜びたいですし、応援してあげられる環境を整えていきたいですね。

ー最後に、10年後20年後、お互いの関係性はどうなっていたいですか?

古見:先ほど藤崎さんが仰ったように、私や藤崎さんのポジションのような人材を増やしていかないといけないですね。例えば今とは逆の、クラフが管理しSHIFT SECURITYの社員を活用してもらうような事業の在り方があってもいいと思っています。そういった事業の幅や多様性は広げていきたいですね。

それから自分の仕事だけでなく、クラフの会社や業務そのものに貢献したいという社員が増えてくれれば嬉しいですね。

藤崎:10年後は、1,000人雇用を必ず達成していなければと思っています。どのような形態で1,000人という形を達成するかは分からないですが、具体的な数字を出しながら道筋をしっかり描いていきたいですね。そのなかで、スキルやキャリアにおいてより質の高い人材の数を増やしていければと思っています。

古見さんとの関係性は、今と変わらず同じベクトルを向いて進んでいきたいと思っています。ただ、質の部分はずっと追求できる関係性でありたいですね。これからもその部分を追い求められるよう、関係性を深めていければ嬉しいです。

冒頭の質問ではこれからのクラフの課題について話していただきましたが、印象的なのは古見さんが「質」にフォーカスしたのに対し、藤崎さんは「量」にフォーカスした課題を挙げたこと。事業の成長において質と量は両輪の関係にあります。この両輪に対してそれぞれが課題意識を持ち、お互いに補完し合える関係性を築けているのは、クラフの未来を見据える上で明るい材料と言えます。

最後に、今回の対談には、県内の高校生が地元で働く大人に1日密着する”ジョブシャドウイング”に参加した高校生が同席してくれました。対談を聞いた感想をご紹介させていただきます。

古見さんと藤崎さんは、違う会社で違う仕事をしているにも関わらず、同じ理念の元に仕事をしていることが興味深かったです。また、創業時は小さな事業規模をイメージしていたにも関わらず、今では100人以上の規模の会社に成長していることに驚きました。「人生いろいろ」で、何が起こるか予想できない。だからこそ、日々を頑張ることが重要だと感じました。

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