「2024年は第2創業期」|クラフ代表取締役 藤崎将嗣

2017年の創業から6周年を迎えたクラフ。新年を迎え、今回はその節目のインタビューとして、代表の藤崎に話を伺いました。設立から現在に至るまでを振り返るほか、2023年はどんな一年だったのか、2024年はどのようにしていきたいのかなどを語ってもらいました。

ー明けましておめでとうございます。クラフも創立6周年、さらに新年を迎えました。この節目の質問として、設立当初に思い描いていた姿と現在のクラフを比較してどのように感じるか聞かせてください。

藤崎:明けましておめでとうございます。まず、非常に順調な推移で拡大してこれたな、というのが今の率直な気持ちです。変わらず拡大を続けるサイバーセキュリティのマーケットの中で、競合優位性を持つ各種サービス、SHIFTグループと連結した規模ある営業成果、ほか様々な相関要素が功を奏し、現在の姿があると日々感じています。

設立当初の話からとなると、なかなか右往左往するお話しになるのですが、、、せっかくなので振り返りましょう(笑)

実は起業してすぐは、私や創業メンバーのルーツである、ECサイトの構築やサイト制作を担う小さな規模感で事業を運営していました。自分達が食べる分を稼ぐには問題なかったものの、起業時に描いた大きな夢である「宮崎に雇用をつくる」「IT未経験者をIT人材にする」という企業理念。言葉自体は今も変わらないものの、当時はどうしたら規模ある成果をあげられるのか?ともがく日々を過ごしていましたね。

ーそこから現在の150名規模の会社へと拡大に向け大きく舵を切るわけですが、方針転換を考えたのはなぜですか?

藤崎:1つは、繰り返しになりますが、小さな規模感では企業理念を達成できるのか疑問に感じたためです。当初の計画のまま事業を継続しても、数年に1人や数名の社員を採用する程度に留まったでしょう。「宮崎に雇用をつくる」「IT未経験者をIT人材にする」という理念を達成するには、途方もない時間が必要でした。

もう1つは、SHIFTグループとの出会いです。過去からのご縁もあり、グループとして一緒に事業を進めていかないかとお誘いがありました。SHIFT社は当時から、未経験者をIT人材に育てるためのソリューションを持っています。彼らのノウハウを活かしながら宮崎で事業を展開すれば、クラフが掲げる理念を大きく、早く達成できるのではないかと考えました。

結果、最初にお話したように、期待通りのスケール感、スピード感で企業が成長しました。とてもポジティブで、素晴らしい結果だと思います。

ー企業理念の達成に向けた方針転換、またSHIFTグループとの出会いも大きなターニングポイントになったのですね。続いて2023年のお話を伺いたいのですが、振り返るとどんな1年でしたか?

藤崎:クラフでは「1,000人の雇用を、地方に創る」というビジョンを掲げていますが、そこへ向けての課題や弱点が明確になった1年でした。

例えば、1,000人の社員を採用するとなれば、採用する人材のバリエーションが必要です。コツコツと仕事に取り組んでくれる社員だけでなく、新規のプロジェクトや社外との交渉に飛び込んでいける社員、規模ある成果をあげるマネジメントができる社員をもっと増やしていかねばならないなと。

ーそのような考えにいたった理由はありますか?

藤崎:やはりコロナ禍が一つの区切りを迎えたのが大きかったですね。5類感染症へ移行して社会がかつての姿に戻りつつあります。すると、これまで見えてこなかった課題や弱点が顕在化してくる。

コロナ禍を総括すれば、IT産業全体はリモートワークのおかげで大きなダメージを受けなかったかと思います。それどころか恩恵を受けた部分もあります。

ただ、私達の会社、スタートアップベンチャーという組織の成長を考えると、やはりコロナ禍はマイナスな面が大きかった。クラフではいち早くリモートワークを採用し、社員の安全を守る体制を構築しました。働く人の安心安全は確保され、社員数自体は増えた一方で、事業や業績をリードするような人材や雇用をつくるようなポジションの人材は手薄なままです。どうしてもリモートワークでは、作業的なオペレーションを滞りなく回すことが優先される。

本来であれば、オフィスでの日々の業務や面談、そのほかコミュニケーション全般で社員のポテンシャルや機会を最大限に引き出す工程が生まれるのですが、リモートワークではそこに限界を感じました。

とはいえ、これもコロナ禍を経験したからこそ得られた学びで、今年はリモートワークとオフィスワークをハイブリッドで活用しながら、社員のポテンシャルや機会を最大限引き出せる環境を整えていきたいと考えています。

ープライベートではどのような年だったでしょうか?

藤崎:個人的な話になりますが、ライフイベントで大きかったのは子どもが生まれたことです。実は、娘は出産時の低酸素性虚血脳症による脳性麻痺 (障がい等級1級)を持っています。子育てといっしょに、介護に携わる日常を過ごしています。

大変な場面も多いですが、あらためて気付いたのは「当事者にならないと分からないこと」がとても多かった点です。たとえば、日本の社会保障の充実ぶりには、本当に驚かされました。筋緊張をほぐすための訪問リハビリや、車イスや障害者用ベビーカーの貸与援助、経済的な負担へのサポートなど生計に負担がかからない制度設計がしっかりと整えられています。これは当事者にならなければ、分からなかったことでした。

それから、育児をする人や介護をする人、障がいのある子どもと暮らす人。当事者になったからこそ、同じ状況にある人にさらに寄り添えるようになったのではと思います。クラフの社員にも持病を抱えながら業務に励む人や、ご家族の介護と仕事を両立している人、日々の育児に奮闘している人がたくさんいます。そういった一人ひとりの気持ちに、以前よりも寄り添えるようになったのは、娘に出会えたからだと思います。

ーライフイベントの変化が、会社経営における新たな視点にも繋がったのですね。最後に、2024年へ向けての抱負を聞かせてください

藤崎:冒頭でこれまで一定の成功があるかのようにお話ししたのですが、まだまだこの会社の理念、夢や目的の実現には全く届いていません。今年はまさに「第2創業期」にあたると考えています。

まず、1,000人雇用を実現するために、人材のトップラインを上げていくことに注力します。会社をピラミッドだと考えると、頂点が高く鋭くなければ裾野は広がっていきません。新規の案件やプロジェクトを力強くリードし、0→1を生み出していく人材や、10→30、30→50と大きくできる人材を、もっともっと増やしていかねばならない。これまで以上に社員同士が刺激し合い、競争し合い、シナジーが生まれるような環境を作り出していきたいです。

それから、クラフを「社会的企業」として大きくしていくのが、中長期的な目標です。「宮崎に雇用をつくる」「IT未経験者をIT人材にする」といった企業理念を深く掘り下げていくと、社会課題を解決するという根源に辿り着きます。コロナ禍や育児で当事者になったことで、あらためて私たちが掲げている理念を達成する意義を見つめ直せました。

企業を大きくしていくことで、影響を及ぼせる範囲を広げていく。サイバーセキュリティ事業の成功と拡大で社会に安心安全を提供すること、それに併せて雇用やキャリア伸長、待遇や労働環境の向上で、社内外の救われる人を一人でも多く増やしていく。そのための歩みを、2024年を第2創業期として、力強くどんどんと進めていきたいですね!

2023年は、数年に渡るコロナ禍の混乱が一旦落ち着きを見せ、社会が以前の姿を取り戻し始めた一年でした。パンデミック初期にはリモートワークやソーシャルディスタンスオフィスなど社員の安心安全を守る行動にいち早く動いたクラフ。手探りで歩み続けた日々は、新たな良い面を生み出した一方で、予想とは違う結果に繋がる場面もありました。

一方で、試行錯誤しながらも「当事者」として動き続けたからこそ見えてきたものもあります。1,000人雇用へ向けての課題感や、社会的企業としての立ち位置を強く意識できたのは、その最たる例です。

クラフは2024年も「安心を提供する会社で在り続ける」を企業理念に、1,000人雇用へ向けてしっかりと歩みを続けていきます。

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