自分から手を挙げることが成長に繋がる │SHIFT通信・ネットメディアサービス部 清信圭太部長 │後編

グループ従業員数1万人を超えるSHIFT社の多岐にわたるサービス展開を支えているのが、金融・流通産業・エンターテインメントなどさまざまな部署に分かれたサービス&テクノロジー本部。 

シリーズで各部の部長にお話を伺う第2弾は、1,200人規模の通信・ネットメディアサービス部を管掌する清信 圭太部長。後編では、組織マネジメントで意識していることや組織運営、成長する人材に共通する姿勢などについて伺いました。 

ー仕事において意識していることはありますか。 

清信(以下敬称略):前職で初めてソフトウェアテストに携わった時のことですが、SHIFT社がプロジェクトに加入したタイミングで、私のチームのメンバーが減らされることになりました。それでもお客様の期待に100%応えるためには、SHIFT社との協力が不可欠だと感じました。 

私は自分の業務の領域定義をして仕事に臨むことがあまりありません。私にとって、新たに加入してきたSHIFT社チームは敵だと思うこともできたかもしれませんが、気まずい空気を作ってパフォーマンスが下がりお客様に提供するものの質が下がる方が良くないと感じました。 

そこでSHIFT社チームを含め、メンバー全員にあだ名をつけるなど関係構築から始めました。お客様もチームメンバーをあだ名で呼ぶようになったことで、障壁がなくなり雰囲気も良く、プロジェクトも円滑に進みました。 

今でも、どのプロジェクトでも人の名前と顔と印象を覚えるようにしています。初対面の段階で印象などをメモしておいて、次に会う時の会話のきっかけにしています。 

私は性別や年齢などの意識をしないので、誰に対してもフラットなコミュニケーションをとります。人によってコミュニケーションのとり方を変えることが好きではないからですが、その中でも相手に損をさせてしまうことはしないように心がけています。 

ーコミュニケーションを大切にする理由は。 

清信:例えば商談で、最初からお客様の課題を教えてもらえることはないと思います。基本的には、良い話や一般的な話にしかなりません。 

そこから一歩踏み込んで本心を知るためには、関係性を築く必要があります。 

「あなたのことを知りたい」という気持ち・パッションで前のめりに話を聞いてしまうこともありますが、「清信さんには話そう」と心を開いてもらえると嬉しいですね。 

ー組織マネジメントにおいて意識していることは。 

清信:想像力です。先述のように、私は性別・年齢を意識せずフラットなコミュニケーションをとりますが、「こう言われたら嫌だな」と相手の気持ちを想像しながら話すことを意識しています。 

例えば、お客様はもちろん、新卒で入社した若手社員にIT業界の知識を前提とした話をしてしまうことがないようにしています。もし分からないことがあったとしても聞きやすい関係を築いておくことが大切です。 

そのためには、柔らかい言葉を使ったり、どれだけ忙しくても声をかけられたら目を見て話したりといった自分のルールを決めています。 

今は在宅勤務でチャットでのコミュニケーションも多いですよね。テキストでのやり取りだとしても、どこかで相手に笑ってもらえるようなポイントを作ろうと試みます。社内の相手にできなければお客様にもできないので、社内でのコミュニケーションは特に意識的にとっています。 

ー採用にも携わっていらっしゃると伺いました。 

清信:一般的に、中途採用はシビアな目でみられます。私も即戦力となる人材が欲しいとついシビアに見てしまっていましたが、組織やマネジメントの力でそれぞれのできない所を補い、できる所を見出すのが面接だという考え方に触れて見方が変わりました。 

私自身も至らない所を会社に成長させてもらったという自覚があったので、それからは個々の応募者の良い所を見つけ出そうという意識になりました。どんなフォローをして伸ばしたら組織に必要とされる人材になるだろうと。 

日々の環境やサービス環境も変わる中で、採用した方が実際に活躍するまでの過程は毎回悩みながら模索しています。 

また、多くの方と接していて感じるのが、SHIFT社のクレドに通じますが「できないと言わない」人は飛躍している印象があります。 

履歴書では実際に何ができるか分かりません。それぞれの経験をもとにタスクを与えることになりますが、その時に「できない」というのではなく「ここまでは経験したことがありませんが、ここまでは達成したことがあるので私にさせてください」とアウトプットと合わせて挑戦する意思を見せてくれるとキャパシティが分かりタスクをふりやすくなります。 

受け取る、そして自分で手を挙げることができる人は伸びますね。100点の成果を出せないかもしれないと臆するのではなく、まず手を挙げて、自分のキャパシティを広げていくことが大事だと思います。 

ー今後の展望を教えてください 

清信:通信・ネットメディアサービス部は1,200人規模になりました。 

学校に例えると、1クラス約30人であればお互いの趣味嗜好などを含め密なコミュニケーションをとることができますが、1学年、学校全体と規模が大きくなると1対1のコミュニケーションのみならず、学校の先生や生徒会など役割と合わせて考える必要があります。 

1人でマネジメントしようとすると難しさを感じることもありますが、学校と同じように考えると規模ある組織の動かし方が見えてくるのではないでしょうか。 

また、悩みがあると今でも経営陣、先輩方が相談に乗ってくれます。時には「それは違う」とはっきり指摘してくれることもあり、大変ありがたいです。 

先人たちの知恵も借りながら私自身も日々成長を続け、SHIFTの成長・拡大を担っていきたいです。 

1,200人規模の組織を率いる清信さん。多くの人と接する中で感じたのが「”できない”と言わない人は伸びる」という共通点でした。 

”できない”と言わずにまずは受け取る。そして自分から手を挙げる。この繰り返しで自分のキャパシティを広げていくという話は、私たちもすぐに実践できる学びではないでしょうか。